加藤峰夫教授(国際社会科学研究院)が、「民間営利企業が積極的に協力する国立公園管理 ー 尾瀬国立公園と東京電力(株)の関係を例として ー」と題する講演を7月12日(火)13:00 より Zoom で行い、学内の多数の参加者が聴講しました。
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東京電力は尾瀬ヶ原のかなりの部分の土地を所有して、遊歩道の設置など、観光および維持管理に努めています、と説明する加藤教授
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【講演内容から】
自然の「保護と利用」は、常に国立公園管理の中心的課題ですが、ほとんどの保護活動は「(過剰な)利用からの保護」で、「利用のための積極的な活動」は「開発」とみなされています。
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【講演内容から】
日光国立公園の華厳の滝は観光スポットとして有名です。 しかしこの景観を維持するために、岸壁の内側から大規模な崩壊対策工事が行われていることは、あまり知られていません。
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【講演内容から】
黒部ダムを建設し、維持・管理している関西電力グループは、現在でも黒部峡谷トロッコ電車を運営して、中部山岳国立公園の黒部峡谷の観光事業に積極的に取り組んでいます。
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【講演内容から】
南アルプス国立公園には、特種東海製紙(株)の社有林があります。公園内部および隣接地域を含めると24,430ha(山の手内側の約4倍)という広大な社有林の内部には、間ノ岳を最高峰に、赤石岳や聖岳等、数多くの名峰が連なっています。
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尾瀬を中心とする日本の国立公園における民間企業の貢献はあまり知られていないため、興味深い内容でした。45分間の講演の後、松田教授、倉田准教授をはじめとする数名から質問、コメントがあり、とても有意義な講演会となりました。